今回、PCゲームをする際、非常に便利で優位に立てる「可変アクチュエーション」の機能を持つキーボードについて、最近話題の5つに絞って比較・紹介していきます。
可変アクチュエーションポイントとは
まず、「アクチュエーションポイント」について説明していきます。
アクチュエーションポイントとは、キーを押し込んだ際、そのキーが入力される位置のことを言います。
通常のゲーミングキーボードでは1.5~2.0mmの物が多いです。
よく「キーストローク」を混同されますが、キーストロークとはキーを最大まで押し込んで止まるまでの距離のことを言います。
「可変アクチュエーションポイント機能」とはそのアクチュエーションポイントを任意に変更できることになります。
5つのゲーミングキーボードを比較(Wooting、SteelSeries、Zenaim、DrunkDeer、Razer)※アプデ以前
各キーボードの特長
上記の図に簡単に説明しましたが、各キーボードの特長を更に詳しく説明していきます。
Wooting 60HE
「Wooting 60HE」はWootingという会社から発売されている60%サイズのアナログスイッチを使用したキーボードになります。
「Wooting」は3人のオランダ人ゲーマーが2015年に立ち上げた新しい企業になります。
正直、現在のゲーミングキーボードの中で機能面で「Wooting 60HE」は最強であるといっても過言ではありません。
特に、0.1mmからアクチュエーションポイントを設定できるのはこのキーボードだけです。
また、「可変リセットポイント」では、任意のアクチュエーションポイントでキーの入力をリセットできる機能であり、例としてPCゲーム「Valorant」でのストッピングなどがやり易くなります。
そして、ラピッドトリガー機能を設定できます。
ラピッドトリガー機能とは、キーを押し込んで入力した後、キーを少し戻すだけで入力がリセットされ、さらに押し込むと再入力される機能になります。
連打や早い入力リセットができるようになります。
例の一つとして人気ゲーム「Valorant」でのストッピングという技術が素早くできるようになります。
しかし、Wooting 60HEは海外製品であり、個人輸入しなくてはいけません。
これは非常に大きな欠点でもあります。
購入時にも公式サイトで登録が必要であり、住所も英語での入力が必要で、輸送費もプラスでかかります。
輸送期間も非常に長く、船輸送か航空機輸送を選べるのですが、航空機輸送を選んでも約2~3ヶ月、現在は人気のため最大半年ほど掛かる事もあるとのことです。
購入してすぐに使えないのは非常に残念ポイントです。
SteelSeries Apex Proシリーズ
「SteelSeries Apex Pro」シリーズは「SteelSeries」から販売されているキーボードになります。
「SteelSeries」はデンマークを本拠に構えるゲーミングデバイス専門ブランドです。
2000年にスチール製マウスパッドを販売したことから始まり、現在もEスポーツ向けの商品を展開し、優れた機能から人気を得ています。
アクチュエーションポイントは0.2mm~と現在販売されているキーボードの中では「Wooting 60HE」の次に浅いアクチュエーションポイントを設定できます。
機能としては「2段式アクチュエーションポイント」があります。
2段式アクチュエーションポイントは一つのキーで2種類のアクチュエーションポイントを設定できます。
浅く押したときと、深く押したときでそれぞれ入力を割り振ることができる便利な機能になります。
例として、「W」を軽く押して「歩く」、深く押して「走る」などを設定できます。
また、「SteelSeries Apex Pro」シリーズはフルサイズからTKL、60%サイズ、さらに高価にはなりますがワイヤレスモデルもあります。
購入に関しても公式からだけではなく、公式ショップとしてAmazonがあるので簡単にすぐに手に入れることができます。
「Wooting 60HE」のようなラピッドトリガー機能はありませんが、今後ソフトウェアの更新で導入される可能性も0ではありません。
Zenaim Keyboard
「ZENAIM」は車のスイッチなどをメインで作ってきた「東海理化」を中心として、2023年に作られた国産ゲーミングデバイス会社です。
出来たばかりの会社で、現在は「ZENAIM Keyboard」のみの販売になります。
「ZENAIM Keyboard」は人気のPCゲーム「Valorant」で有名なゲーミングチーム「ZETA DIVISION」が監修しており、所属する人気選手、LAZ選手を中心に開発されています。
TKLサイズですが、横幅に少しゆとりがあるため、通常より一回り大きな設計になっています。メディアキーは付いていません。
アクチュエーションポイントは0.3~1.8mmまでとなっており、上記の2つのキーボードの次に浅いアクチュエーションポイントを設定できます。
特徴としてはロープロファイル仕様(ショートキーストローク)と可変リセットポイントがあります。
ロープロファイル仕様とは、薄型のキーボードであり、キーストロークもかなり浅い造りになっています。
ロープロファイルでは、パーム(リスト)レストを使用しなくても手首を上げる必要なく疲れにくい設計になります。
また、キーストロークの浅いロープロファイルの中でも、特にキーストロークがかなり浅くなっており、直感的に操作できるようになっています。
「可変リセットポイント」では、キー入力後、任意のアクチュエーションポイントでキーの入力をリセットできる機能です。
ラピッドトリガー機能には及びませんが、こちらも「Valorant」でのストッピングなどが素早くできるようになります。
新しい会社の新しい商品のため、スペースキーなどでスタビライザーの不具合が発生しています。
改善まで販売が中止されており、購入済みの方は今後改善品と組み換え対応を行っていくとのアナウンスがありました。
現在購入ができない状況ですが、2023年8月に改良品を再販予定になっています。
購入は公式サイトからになります。英語配列はなく、日本語配列のみとなっています。
価格は48,810円と非常に高価ですが、作りは高級感が高いものになっています。
DrunkDeer A75
「DrunkDeer」は2018年に作られた香港に拠点を置くキーボード会社です。
「DrunkDeer A75」はゲーミングキーボードでは珍しい75%キーボードであり、メディアキーも付いています。
75%キーボードは、60%キーボードより縦1列、横1列キーが多く、ファンクションキーやdeleteキー、方向キーがついています。
コンパクトながら普段使いにも便利なものになっています。
アクチュエーションポイントは0.4~3.6mmとなっており、可変設定は0.4mm刻みと少し大きくなっています。
機能としては「2段式アクチュエーションポイント」と「NEVER MISS機能」があります。
「2段式アクチュエーションポイント」は「SteelSeries Apex Pro」で説明した通り、一つのキーにキーの押し込み深さによって、2つの任意キーを割り振ることができる機能です。
「NEVER MISS機能」とは、可変リセットポイントと似たような機能ですが、この機能ではキーを底打ちした後のリセットポイントを設定できるため、簡易版のラピッドトリガーのようなものになります。
購入は公式サイトや公式ショップのAmazonで購入できます。
約16,000円~購入でき、購入方法も簡単で、可変アクチュエーションポイント機能が使えるゲーミングキーボードにしては非常に手に入れやすくなっています。
Razer Huntsmanシリーズ Analog
「Razer」は2005年に設立された、カリフォルニア州とシンガポールに拠点を置くゲーミング用品を幅広く販売する会社です。
「Razer Huntsmanシリーズ Analog」は「Razer huntsmanキーボード」の中のAnalogキースイッチを搭載したものになります。
「Huntsman」については初代2018年に発売されており、2021年にV2となり、一部Analogスイッチを搭載できるようになっています。
アクチュエーションポイントは1.5mm~と少し深めに設定されています。
1.5mm~のため、最浅でも通常のゲーミングキーボードと同じくらいになっています。
通常のキーボードから移行しても違和感なく使えますが、せっかくの可変アクチュエーションポイントなので、もっと浅くして欲しい点でした。
終端も浅めの3.6mmで、キーストロークから考えると可変アクチュエーションポイントの幅が少し狭くなっている。
機能としては「可変リセットポイント」と「2段式アクチュエーションポイント」、そして「ラピッドトリガー機能」が2023年6月7日のソフトウェアアップデートで使用できるようになりました。
「可変リセットポイント」と「2段式アクチュエーションポイント」については上記のキーボードに説明があります。
この2つの機能があるのはこのキーボードだけであり、更に「ラピッドトリガー機能」も使えます。
しかし、ラピッドトリガー機能については「Wooting 60H」と少し違い、キー底打ちからアクチュエーションポイント範囲まで若干ストロークがあるため、底打ちからのラピッドトリガー機能の発動まで約0.5mm程あるようです。
アクチュエーションポイント内ではラピッドトリガー機能は最短0.1mmごとに機能できるように設定できます。
購入方法は公式サイトやAmazonになります。
購入が簡単で、価格も約17,800円~となっています。
また、今後新しいAnalogキースイッチ搭載モデルがでて、アクチュエーションも浅く、範囲も広くなる可能性もあります。
可変アクチュエーションポイントの活用法
可変アクチュエーションポイントの設定ではゲーム内で非常に有利になります。
例えば、移動キーなどのアクチュエーションポイントを浅く設定することで直感的操作できるようになります。
また、スキルやリロード等のアクチュエーションポイントを深めに設定することで、誤押を防ぐことができます。
「Valorant」でもストッピングなどに活用できます。
更に、繊細なキャラクターコントロールが必要な「Apex Legends」では設定によってかなり変わってきます。
特殊なキャラコンのスーパーグライドなどは特に恩恵があります。
「Apex Legends」のスーパーグライドをし易くなるアクチュエーションポイントの設定
スーパーグライドでは通常スペースキーにジャンプ、スペースキー上の「C」「V」「B」「N」などにしゃがみを割り振ります。
登りモーションが終わった瞬間に、ジャンプとしゃがみを親指でほぼ同時押しすることで行えます。
しかし、この「ほぼ同時押し」ですが、一瞬だけスペースキーが先に押されなくてはいけません。
メモ帳等を使ってキー入力をしてみると、意外としゃがみキーが先に押されることがあります。
その場合、スーパーグライドは発生しなくなります。
そんな時に可変アクチュエーションポイントが有効です。
ジャンプのスペースキーのアクチュエーションポイントを浅く設定し、しゃがみキーを少しだけ深く設定してください。
そうするとほぼ必ずスペースキーの入力が先に来ます。
高難易度スーパーグライドの成功確率を上げる一つになります。
細かいアクチュエーションポイントの設定については個人差があるので、試してみてください。
まとめ、各キーボードの選び方
今回紹介したキーボードにはそれぞれ特徴があります。
- 価格、到着期間を気にせず、現最強キーボードが欲しければ「Wooting 60H」です。
- 早い到着期間で、選べるサイズ・ワイヤレスモデルも検討、Apex Legendsを主なゲームの方は「SteelSeries Apex Proシリーズ」
- 価格、到着期間を気にせず、国産ロープロファイル仕様で高級感が欲しく、Valorantを主なゲームの方は「ZENAIM Keyboard」
- とにかく予算を抑えて、メディアキーが付いた75%キーボードで普段使いもしたい方は「DrunkDeer A75」
- 選べるサイズ、少し深めのアクチュエーションポイントでも気にしない、ラピッドトリガー機能をはじめ、豊富な機能を活用したい方は「Razer Huntsman シリーズ Analog」
これら5つは同じ可変アクチュエーションポイント機能を搭載したものですが、それぞれ機能等に違いがあり、好みのものを選んでこうにゅうしていきましょう。
他にも東プレの「Real Force」なども可変アクチュエーションポイント搭載ですが、今回は話題の物を5つに絞り比較してきました。
ちなみに、私は「SteelSeries Apex Pro Mini」を購入して「Apex legends」で使用しています。
Miniは価格が安いですが、TKL以上のものについているパームレストはついていません。
パームレストが欲しい方はTKLサイズ以上のものを選んでください。
購入リンク(Amazon、公式サイト)
購入は公式サイトかAmazonになります。
リンク先で確認してください。
Wooting 60H
「Wooting 60H」は公式サイトからの購入になります。
購入時住所入力は英語になります。
住所翻訳にはこちらのサイトを利用すると便利です。
SteelSeries Apex Proシリーズ
価格が変動するので確認して購入してください。
また、Amazonでのフルサイズは1つ前のモデルのため、アクチュエーションポイントは0.4mm~になります。
フルサイズが欲しい方は公式サイトから購入してください。
Amazonリンク
ZENAIM Keyboard
「ZENAIM KEYBOARD」は公式サイトからの購入になります。
現在は販売中止していますが、再販分の予約が近々始まるかもしれません。
DrunkDeer A75
「DrunkDeer A75」は公式サイトとAmazonで購入できます。
公式サイトでは英語表記で、海外配送になるためAmazonのみ紹介します。
Amazonでも海外配送になるものもあるので確認してください。
カラーによって変わる場合もあります。
Razer Huntsman シリーズ Analog
「Razer Huntsman シリーズ Analog」は公式サイトとAmazonで購入できます。
Amazonでは価格の変動があるので確認してください。
それでは、また次回。