
近年ゲーミングキーボードの種類が豊富になり、選択肢がかなり増えました。
ゲーミングキーボードを選ぶ際、ラピットトリガー機能は外せないかと思います。
その中でも、数年前に流行ったLogicoolG913を使用していた方は、次のキーボードを見つけれていない方がいるかと思います。
それはそのはずで、ロープロファイルのラピットトリガーキーボードは使用するキースイッチが近年までなく、自社でキースイッチを開発するしかありませんでした。
最近になってキースイッチメーカーがロープロファイル用のスイッチを出したため、ロープロファイルキーボードの新作が増え、現在5社ほどが選択肢になるかと思います。
今回はその5社を比較していきたいと思います。
ロープロファイルキーボードとは
まず、ロープロファイルキーボードについて簡単に説明していきます。
ロープロファイルキーボードとは、通常のキーボードよりも薄型で高さが低いものを指します。
また、ほとんどのロープロファイルキーボードは、キーを押し込むストローク量も短くなっています。
ロープロファイルキーボードのメリット
ロープロファイルキーボードのメリットをいくつかあげていきます。
- 高さが低いので手首の疲れが軽減される。
- キーストロークが短いため、すぐにボトムまで押し込むことができる。
- キーストロークが短いため、次のキーへ移る距離が短く早く押すことができる。
- 高さが低くキーストロークがも少ないため、手の小さな人にも使いやすい。
これらはロープロファイルキーボードしかない大きなメリットになります。
少し加筆すると以下になります。
キーボードの高さが低いことで普通のキーボードより手首を返す量が少なくなり、長時間のゲームや作業で使用する際疲れにくくなります。
パームレストを使っている方も必要なくなり、自由度が高くなります。
手の小さな女性にも使いやすくなります。
キーストロークが短いことについては、基本的にキーを押す際はボトム(底)まで押し込むかと思います。
ボトムから素早く次のキーに移ることができるため、ゲームなどで優位に立つことができます。
ロープロファイルキーボードのデメリット
ロープロファイルキーボードはメリットだけではありません。
もちろんデメリットもあるので、それをいくつかあげていきます。
- キーストロークが短いため、打鍵感が薄く深みがない。
- キーボード自体の厚みがなく、響いたり軽い音になりがち。
- キーキャップやケースなどのカスタマイズ性が低い。
- キーボード自体が軽くなり、安定感が低い。
- キー同士が近くなり、誤タップが増える。
これらのデメリットは感覚や慣れで打ち消すことも可能ですが、気になる人やこだわる人にとっては大きなデメリットにもなり得ます。
こちらも加筆していきます。
打鍵音や打鍵感については、キーストロークが短く、キーケース内部に制限があり、静穏フォーム材などの使用が少なくなりがちです。
しかも、ロープロファイルという薄さを売りにするため、ケースがキーキャップを覆わないフローティングデザインという仕組みになりがちです。
キーボード自体も軽く、形状もフラットになり剛性が低くなります。
それらは音が響きやすく、深みのない打鍵音に繋がります。
カスタマイズ性としては、ロープロファイルキーボード自体の種類が少ないため、パーツがほとんどなく、キーキャップも基本的に通常のキーボードとは互換性がありません。
誤タップについては、キーキャップの形状が薄いため、キー同士が通常より近い位置に配置しています。
そのため誤タップが増える可能性が高くなります。
ラピットトリガーとは

ラピットトリガーとは、キーを押し込んで入力した後、キーを少し戻すだけで入力がリセットされ、さらに押し込むと再入力される機能になります。
連射や早い入力、リセットができるようになります。
ラピットトリガー機能があるキーボードでは基本的に可変アクチュエーションポイント機能も備えています。
アクチュエーションポイントとは、キーを押し込んだ際、そのキーが入力される位置のことを言います。
「可変アクチュエーションポイント機能」とはそのアクチュエーションポイントを任意に変更できる機能になります。
これらは全て素早い入力とリセットができるようになり、ゲーム上で優位に働きます。
ラピトリ搭載ロープロファイルキーボードの種類
現在購入できるキーボードが下記になります。
- MelGeek MADE68 Air
- ELECOM VK720AL
- NuPhy Air60 HE/75 HE
- ZENAIM ZENAIMKEYBOARD/2
- Logicool G515 RAPID TKL
先日ZENAIM KEYBOARD2、Logicool G515 RAPID TKLが10月販売開始と発表されています。
それぞれの会社や特徴を簡単に説明していきます。
キーボードの詳しい情報は後半で説明していきます。
MelGeek MADE68 AIR

「MelGeek」はイギリスに本社を置く「shijie trading ltd」が所有するブランドになります。
2014年に設立され、 Huawei社やDJI社から技術提供の元、強力な開発力でオリジナリティーあふれた製品を提供しています。
キーボード製品以外にも、周辺機器なども販売を行っています。
色味が珍しく、ケース上部にもRGBがついており、見た目も鮮やかなキーボードになっています。
ELECOM VK720AL

「ELECOM」は日本を代表する家電メーカーの1つです。
国内でも屈指の開発力を持ち、多くの周辺機器や家電を販売しています。
近年ゲーミングデバイスにも力を入れており、ELECOM GAMING V CUSTOMを立ち上げています。
国産の安心感と企業努力を感じ取れる製品になっています。
NuPhy Air60HE/75HE

「NuPhy」は、中国・深圳(しんせん)市に拠点を置く、新進気鋭のキーボードブランドになります。
2021年に設立された新しいメーカーですが、デザイン性の高いキーボードを開発・販売しており、その独特なカラーリングと機能性で世界中のファンを増やしています。
NuPhy AirはNuPhy通常版のキーボードをキースイッチとケースなどを変更し、キーストロークそのままでロープロファイルキーボードに改良したものになります。
ZENAIM ZENAIM KEYBORD/2

「ZENAIM」は車のスイッチなどをメインで作ってきた「東海理化」を中心として、2023年に作られた日本のゲーミングデバイス会社です。
ZENAIM KEYBORDの開発には人気のPCゲーム「Valorant」で有名なゲーミングチーム「ZETA DIVISION」が監修しており、所属する人気選手、LAZ選手を中心に開発されました。
2025年8月18日にZENAIM KEYBOARD2 TKL/MINIの2種が発表されています。
発売開始時5万円弱しましたが、大幅に値下げされ購入しやすくなっています。
Logicool G515 RAPID TKL

「Logicool」は1981年にスイスで創設された会社になります。
日本参入時の権利等で「Logicool」という名前ですが、海外では「Logitech」となっています。
「Logicool」は多種にわたるPC周辺機器からゲーミング製品まで多くの製品を出している大手会社です。
ゲーミングデバイスが普及しだしたときは一強ともいえる人気を誇っていました。
しかし、近年他ゲーミング製品に後れを取っていましたが、製品のクオリティーは高く、製品展開も広いところが強みになります。
G515 RAPID TKLはG515というキーボードをベースに、キースイッチをホールエフェクトスイッチに変更し、ラピットトリガーを搭載した製品になります。
ラピトリロープロファイルキーボード比較
言語配列 | サイズ(横×縦) | 重量 | サイズ | キーストローク | ポーリングレート | RT感度 | 価格(約) | |
MelGeek MADE68 Air | US | 310×111mm | 630g | 65%(68キー) | 2.8mm | 8,000Hz | 0.01mm | 23,000円 |
ELECOM VK720AL | JIS/US | 325×143mm | 651g | 75% | 2.5mm | 1,000Hz | 0.1mm | 30,000円 |
NuPhy Air60 HE | US | 297×107mm | 534g | 60% | 3.4mm | 8,000Hz | 0,01mm | 22,000~28,000円 |
NuPhy Air75 HE | US | 316×132mm | 702g | 75% | 3.4mm | 8,000Hz | 0,01mm | 25,000~32,000円 |
ZENAIM KEYBOARD | JIS | 381×139mm | 730g | TKL | 1.9mm | 不明 | 0.05mm | 35,200円 |
ZENAIM KEYBOARD2 TKL | JIS/US | 381×139mm | 740g | TKL | 不明1.9mm? | 不明 | 不明 | 39,600円(10月予定) |
ZENAIM KEYBOARD2 mini | JIS/US | 296×118mm | 500g | 60% | 不明1.9mm? | 不明 | 不明 | 32,780円(10月予定) |
Logicool G515 RPID TKL | JIS/US | 355×146mm | 800g | TKL | 2.5mm | 不明 | 0.1mm | 25,850円(10月予定) |
8.9月現在の使用です。
キーボードの選び方

ラピットトリガー搭載ロープロファイルキーボードを選ぶ際、いくつかの基準があります。
予算・金額
金額はデバイスを購入する際とても重要な選択要因になるかと思います。
通常のラピットトリガー搭載キーボードは価格が抑えられたものも多く出てきていますが、まだラピットトリガー搭載ロープロファイルキーボードは種類が少なく、金額も高価になりがちです。
金額の順番として
「NuPhy Air75 HE/60 HE」≦「MelGeek MADE68 Air」<「Logicool G515 RAPID TKL」<「ELECOM VK720AL」<「ZENAIM KEYBOARD」
サイズやセールによって順番は変更になることもありますが、大体このようになります。
キーボードサイズ
キーボードにはキーの多さや大きさによってサイズがいくつかあります。
マウスのスペースを確保しやすく、価格も抑えられるミニキーボード(60%前後のキーボード)がゲーミングの主流となっていますが、一定数ファンクションキーがどうしても欲しい方がいるかと思います。
ファンクションキーが欲しい方はTKLか75%サイズの「ELECOM VK720AL」、「NuPhy Air75 HE」、「ZENAIM KEYBOARD」、「Logicool G515 RAPID TKL」の4種になります。
日本語配列
キーボード配列がUSだと入力できない文字、表記と違う入力、配置が変わることで使いににくく感じることがあります。
そのため、日本語配列に拘ると「ELECOM VK720AL」、「ZENAIM KEYBOARD」、「Logicool G515 RAPID TKL」の3つが選択肢に入ります。
ポーリングレート、RT感度、キーストローク
高性能を追及するとポーリングレートとRT感度が気になってくるかと思います。
ここからは持論ですが、正直誤差の範囲であり、人間が感じ取れる以上の性能のためそこまで気にしなくてもいいかと思っています。
しかも、ゲーム内でキーボードは移動やスキル等を担っていますが、マウスによる視界やAIM、射撃等の攻撃ほどの重要度はなく、効果を感じにくく異常なスピードの反応速度は必要ないと考えています。
流行りとしてキーボードでも8000㎐対応が多くなってきていますが、そこまで大きな変化を感じることができないかと思います。
もちろん1000㎐や2000㎐使用時の安定性に関わるかもしれませんが、プロ選手じゃない限り本人の反応速度や体調管理をしたほうが効果は大きいかと思います。
また、PCの性能によっては8000Hzだと重くなったり、エラーを吐く可能性もあります。
RT感度については0.1mm以上は理論値であり、表記0.01mm精度でもあくまで理論値であり、キーのブレもあるためそこまでの精度は出せません。
もちろん精度が高いことで安定性が高くなる可能性もあります。
そもそも人間では0.01mの押し込みを感じ取ることができなく、誤入力の可能性も高くなります。
これらの内部的性能より、効果を発揮しやすいのが物理的な入力速度であるキーの押しやすさやキーストロークです。
前半にも記載しましたが、キーストロークが短いと次のキーへの移動が速くなり、結果的により入力が早くできるようになります。
「ZENAIM」も公式のコラム内でこれを謳っています。参考:ZENAIM COLUMN
ロープロファイルキーボード自体がキーストロークが短いため、それぞれに大きな差はないかもしれませんが、選択肢の一つになるかと思います。
「ZENAIM KEYBOARD」<「ELECOM VK720AL」=「Logicool G515 RAPID TKL」<「MelGeek MADE68」<「AirNuPhy Air75 HE/60 HE」
短ければいいというものではないですが、順番はこうなります。
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ロープロファイルキーボードに拘っている方は是非参考にしてみてください。
では、また次回。